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ちょっと不思議な話。 そこのけ、そこのけ、 霊が通る。ー「霊道」の巻ー


見える人、義母から聞いた話。

義父は生前、小さな工務店を営んでおり

昭和の好景気の頃、

5〜10軒程度のミニ住宅開発・建築を

各所で行っていたそうな。

それで、そんな各開発地の中で

必ず一軒ほど、スペックや条件は全く他と変わらないのに、何故か商談が決まりにくい家というのが出てしまうそうだ。ある土地の開発地でも何故だか最後にぽつんと売れ残ってしまう家が出てしまい、スペック的には他よりむしろ良いくらいだし、このまま古くしてしまうのもなんだからと、自分達の住まいとして引っ越すことにしたのだそうだ。


不思議な事は引っ越して間も無く起こる。


家内には2つ離れた弟が居て、引越した時はその弟がまだ赤ん坊だった頃。

義母がようやく赤ん坊を寝かしつけ、やれやれと家事を片付けようとした昼下がり。

「オギャーッ」

寝かしつけたばかりの赤ん坊がけたたましく泣き叫ぶ。

(なにごと)

慌てて赤ん坊の元に駆け付け、目にした光景に義母は愕然。

何と赤ん坊の上に、びっくりするほどお腹が出た入道のような裸の大男が馬乗りになっていたのだ。

母は強し。義母は一目散に駆け寄ると大男をわしっと掴み、畳の上に投げ捨てた。

するとピタリ、泣き叫んでいた赤ん坊はすやすやと寝息をたてている。

ほっとしたのも束の間。

不審に思って観察していると、入れ替わり立ち替わり、様々な奇怪なこの世のものではない者たちがその空間を行ったり来たり。その度に赤ん坊が泣きわめく。


「これは霊道や」


この世とあの世を繋ぐ

バガボンド達の往来道。

永遠に彷徨わざる得ないもの達の棲家。

ここに家は建てんでおくれ。

通らないかん、通らないかん。

どうか邪魔せんでおくれ。

ここを通って巡らなならん。

安らがんのじゃ、永遠に、永遠に。


とは言っても、義母としても

「はい、そうですか」という訳にもいかず、とある方法でこの霊道を塞いでしまった。

それからピタリ。あの者たちが現れる事は無かったのだそう。


何となく落ち着かない。

何故かゾワゾワする。

そんな場所がもしあったら、

それは魑魅魍魎の行き交う霊道かもしれません。見えぬからとて邪魔してはなりませぬ。



#義母愛子

#見える人

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