天晴!山間の海鮮料理「八右衛門」【三重県多気町】
- 松葉信吾

- 2018年9月21日
- 読了時間: 3分

三重県多気町「The dining YOSA八右衛門」は
勢和多気インター近く、周りになんにもない山間に
忽然と現れる魚の店。
「すごい店があるから、一度覗いたほうが良い」
情報が集まりつつあったこの店へ現場周りのお昼時に伺った。
噂通り、海老蔵似の大将がお出迎え。 そして、この大将が面白い。 入店程なく本日仕入の魚を説明するも、その話は熱く膨大。 にも関わらず、俺流の押し付けがましさや傲慢さは微塵もなく 魚のおいしさを伝えたいという一心が止めどなく溢れ出している事が判るから
聞いてても心地よい。 一通りのエネルギー放出が一段落したところで では今日のおすすめは?と問い返すと お客様の好みもあるし、本当は全て食べてほしいが 体はひとつでそれもままならず、どれかを一つなんて自分には決めれない、
どうか自身で決めてくれないかとの返し。
思えば、どれもこれも気をいれて仕入れ料理したものだから、
どれがいいのか勧めろというのも、失礼なことなのかも。
それでも「この鬼海老が味の濃厚さにはびっくり。甲殻類はこれまで・・・・」という話になり、ではそれをという事で「鬼海老の唐揚げ」という思いがけないオーダーに。

鬼海老。
北陸・山陰で揚がる珍しい海老らしい。
程なく供された一品は、食べごたえありそなブリっとした海老が5尾ほど。かぶりつくと、じわっと甘みが口中に広がり、海老の身汁がどっと溢れ出る。これは予想外で嬉しい驚き。タルタルソースとポン酢が添えられているが海老の味わいだけで十分。一つ経験を積ませていただいた。

お酒のセレクトもわくわくの内容で、燗酒は「どうこ」でお燗し錫徳利でというのも嬉しい。
温めの濃い緑茶を食前に、熱めの香りたつ焙じ茶を食後にというのも光秀っぽく心憎い。
万事、心を配っておられる。

帰り際、予約はどのタイミングでするのが良いか?と軽く聞いてみたら、大将の心の蓋がまた外れてしまった。
大筋は、
予約は早ければ早いほどよい。
いい魚を出すには信頼できる漁師との良い関係が必須。
漁師には、普段大きな負荷とプレッシャーをかけている。
我々は日々、お客様の声を聞き報われるが、
漁師にはお客さんの声がなかなか届かず報われない。
早く予約を頂くことで、これまでの魚・料理をこんな風に
評価頂いたので、今回の予約に至った。その人は、こういう人で、こういう事を求めて、どこそこからいらっしゃるという事を共有できる。
それは漁やその後処理にも活き、美味しく良いものを供す良い循環が更に強く大きくなる。
そのためには、早めに予約頂くことが有効。
といったところ。
予約の一件一件について
きっと漁師さんにも熱く熱く話すに違いない。
かくして思いは循環し、山間に屹立する活魚料理という難しいシチュエーションのこの店に絶えず客が集う事になるのだろう。
お釣りの小銭をしっかと握りしめながら、最後の最後まで熱弁の大将。
ほんのり温かくなった小銭を預かり、清々しい気分で店を後に。
実に天晴。




































