帯広を夜な夜な彷徨う。
帯広周辺で大規模なじゃがいも農家と肉牛畜産農場2件を取材。
毎日の取材後、夕食兼ねて帯広市内ぶらぶら。
帯広「北の屋台」で希少な生シシャモに出会う。
豆腐の上に鎮座するもの。
生姜ではなく「山わさび」、
ホースラディッシュですね。
ホースラディッシュと言えば
条件反射的に「ローストビーフ」
と思いがちですが、こちらでは
モッツァレラチーズ、肉類の刺身、、
と結構登場するようす。
本わさびより穏やかながら
しっかりした香味嬉しいです。
それと
こちらでは今、十勝ししゃも週間らしい。
所謂、「樺太ししゃも」(カペリン)ではない
ご当地産の本シシャモ。
それの「生」が食べられます。
「大将、生シシャモまだある?」
これめがけて来るお客さんも後を絶たず。
「ごめんねぇ、今日はもう無いんだよ」
と結構貴重なもの。
「あんたは運がいいよねぇ。
今しか食べられないものだからね」
う〜ん、これで運を一つ消費したのかと
思うと、嬉しくもあり、寂しくもあり。
これを幸運のカウントに入れない事にする。
俳句とジャズベース。
通なマスターがいる「PAGE1」に迷い込む。
日本の重要な食糧基地である十勝地方の中核都市、とは言うものの決して大きな街とは言えない北海道帯広市。
にも関わらず、食事を終えて宿への帰り道、
スィンギーな4ビートが漏れ響くお店が二軒。
一軒はジャズクラブで一軒はどんな店か、見当つかない感じ。
「こういう音楽が根付く街なのかな?」と思いつつ宿へと急ぐと最後の角でもまた小気味良い音が。
「PAGE1」
レトロなビルヂング。年季の入った階段が誘うままに二階へ。
なかなか、すんばらしい佇まいに、これまた肩の力の抜けたいい感じのマスターがお出迎え。
店を構えて30数年というマスターの山下さん。
すごく有名な方らしくて、俳人且つジャズベーシストなのだとか。
俳句とジャズベース。
極限まで無駄を廃し、最小の言葉と音で、空間を雄弁に彩る。えらくトータリティーが取れていて、こういう人、憧れるなあ。
このお店は元々、このビルのオーナーの住居だったそうで、山本さんが借り受け、内装に手を加えたのが今の姿。前オーナーもかなりの感覚の持ち主だったようで、こういう、またと無い物件は、それに相応しい人に自然と引き継がれていくもの。
人が建物を選ぶのか、
建物が人を選ぶのか。
不思議ですが、ちょっと魂の入った建物だと、相応しからぬ人だと拒絶して追い出してしまうし、建物がより相応しい住人になるよう、その人を鍛える事だってあるのです。あまりに建物と人のバランスが悪いと人は潰れてしまいます。
実際、これは何例も見てきたので、
建物と人のマッチングって言うのは
結構重要。
信じるか信じないかは、あなた次第です。
学生街の喫茶店「きんぐ」で
古き正しきスパゲッティを平らげる。
君とよく、この店に来たものさ♪
昭和の学生街に必ずあった
そんな佇まい、帯広の喫茶店「きんぐ」。
にわかカフェに席巻されて、
こんなお店も絶滅危惧種、貴重です。
BGMはボブ・デュランではなく、 ごく控えめにmodern jazz。 その音量を少し上回るようにテレビの野球中継。
壁にはブルース・リー師匠の勇姿。 この脱力感が心地よし。
軽食というには立派すぎる、
パスタと言うよりスパゲッティの数々。
オーダーしたナポリタンは
アルゼンテなど知った事かの
由緒正しい味わいで、この場にはまりすぎ。
ハーフの固ゆで卵トッピングに店主の愛を感じます。
そう言えば小泉今日子の台詞で
「ほら、あばずれの喰いもんだよ」と
ナポリタンを供すシーンがあったな。
これ、そうなの?
でも、確かにこれを頬張る女の人がいたら
敷居の低いエロティックさを感じてしまうよな
気もする。
これを頬張るおっさんはどう見えるのか? それはあんまり考えたくない。
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