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博多中洲「鮨 久保田」に悶絶する。



これはお見事。

カウンターのみ、セットスタートの形式。 ベンガラかな?真紅の壁をバックにした店主に全てを委ね、次々と繰り出す、つまみと握りで、めったとない幸福な時間を堪能できます。 層の厚い博多中洲の寿司屋の中でめきめきと頭角を現し、もう少しで予約が取りにくいお店になりそうだと噂、なるほどなと思います。

私のような凡人にとっては、寿司屋の華、メイン、大スターとも言えるマグロ、トロを出さないというなかなかの曲者ぶり。 「結局、マグロだなってなったら、つまらないじゃないですか」 うん、たしかにそうだ。そうだけど・・・

そういえば、たまたま同席になった方が食後に「トロを出さない寿司屋だと聞いて高知から来たがとても良かった。また来ます」と仰っていた。世の中には粋人もいるものだ。うらやましぃ〜。

お弟子さんはおらず、基本的には主人が取り仕切るのだが、面白いのは女子大生二人を表と裏に配していること。 作業を分解して、勘所の不要な作業のみを割り当てている。 「◯◯ちゃん、エアコン1度下げて」 「◯◯ちゃん、出汁を火にかけて」 もはや人間リモコン。しかもその匙加減が実に細かい。

弟子や職人という、どうしても他人の才覚が入り込んしまう部分を排しながらも、作業効率アップを成すため辿り着いた形で、この形式を取る他店店主も多いが、料理の味わいとは別に興味深かった。

あまり料理が見事すぎると、写真が全く撮れない。今回はその好例。


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