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おかげさま -伊勢神宮-

なにごとの おはしますかは しらねども かたじけなさに なみだこぼるる

西行法師の歌。

当時、僧籍にある者は、今の我々の様にずかずか無遠慮に拝殿前まで進みゆく事は許されず、何処かの地点までで留め置かれたそうな。何ともお気の毒で申し訳ない気がするが、そこはそれ、武士としての身分と家族を突如としてかなぐり捨て、漂泊の旅に身を投じた一流歌人である西行法師、センサーが常人とは桁外れに違うのだろう。

神域に近付いただけで、何かは判然としないが貴くありがたいものにビンビン感応し思わず感涙にむせぶという感度の良さ。


所謂、Godとは異なる、遍く在り包容するありがたいそれへの理を超越した畏敬の念は、時を超え今を生きる者としても大切にしたい。


神域内を大声で喚く様に話す人達、

正殿を背景にこれでもかとセルフ撮影をする人達…正直、げんなりはするが、彼らとて何らかの感じ入るところがあるので詣でているのだろう…と信じたい。


朝よひに 物くふごとに 豊受の 

神のめぐみを 思へ世の人


江戸期、伊勢の高名な国学者、本居宣長の句。「最近のもんはほんまに」と本居さん、だいぶ苛ついているご様子でアジっている。

伊勢市駅近くの外宮さんの主祭神は豊受大御神様。内宮さんとは、また異なる気配に満ちている。


伊勢に行かれたら、ぜひ外宮さん、内宮さん、両方お詣りを。

美しい一年でありますように。





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